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 鹿児島の市電と街  その5
加治屋町電停〜郡元電停
加治屋町電停
加治屋町は西郷隆盛の誕生の地

 加治屋町電停から高見橋電停近くにかけての甲突川東岸ぞいの地区は昔は薩摩藩の下級武士の住居区でしたが、そこから幕末から明治にかけて活躍した西郷隆盛、大久保利通、大山巌、東郷平八郎等々の人物を輩出しています。
 なお、以前はこの加治屋町電停から国道3号に沿って伊敷町まで市電の伊敷線が運行されていましたが、1985年に不採算路線として廃止され
ています。

歴史ロード「維新ふるさとの道」
 市電に乗って加治屋町電停から高見橋電停に向かう途中、進行方向左手に歴史ロード「維新ふるさとの道」があります。甲突川の左岸緑地に加治屋町があり、この地から明治維新で活躍した人物を数多く輩出していることから、そのことを記念し、歴史を感じながら散策を楽しめる「歴史ロード」が2009年3月30日に完成しています。


高見橋電停
 高見橋電停近くの甲突川河畔の市民広場では、毎年いつも春と秋に木市が開催され、たくさんのお店で花の苗、苗木、鉢植え等が展示販売されます。
 
鹿児島中央駅前電停
鹿児島中央駅前電停と市電 乗車口を示すマークが必要では

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2003年に西鹿児島駅前電停(現在の鹿児島中央駅前電停)を県道の中央部から駅前広場への移設していますが、「南日本新聞」2004.07.08の記事によりますと、駅前広場への移設後、同電停経由の2系統の乗客が「目に見えて増加している」とのことです。


JRを利用して鹿児島中央駅に降りた県外の人たちは、市電に乗るときに鹿児島中央駅前電停に「乗車口」を示すマークがないことに戸惑うようです。陸の玄関口の電停ですから、例え広島電鉄の広島駅の5号線乗り場に引いた乗降位置を示す白枠「広電西広島駅の3番ホームの足型シール 」のようなものがあればいいですね。

JR鹿児島中央駅
 
現在のJR鹿児島中央駅は、1913年に「武駅」として誕生しています。1901年の6月10日に鹿児島−国分(現在の隼人駅)を蒸気機関車が初めて運行し、現在の浜町に鹿児島駅の駅舎が建設されてから12年後のことです。海岸線沿いのいまの鹿児島本線を実現するために、その一部区間である川内線(鹿児島・川内間)が着工されたときに武駅も建てられたのです。その後、1927年に「西鹿児島駅」と改称しています。
 私が30年前に鹿児島に来たとき、最初に降り立った駅がその国鉄西鹿児島駅でした。駅の外に出ると、駅前広場にはフェニックスが生い茂り、まだ3月下旬の午前中にもかかわらず太陽が頭上でギラギラと輝いていました。そのとき、自分が南国に来たということを実感させられたものです。
 国鉄西鹿児島駅は、その後JR西鹿児島駅となり、さらに2004年3月の九州新幹線の部分開業(新八代駅〜旧西鹿児島駅)を機に駅名を鹿児島中央駅と改称しています。



ダイエー鹿児島中央店
 JR鹿児島中央駅の東側に電車通りを隔ててダイエーがあります。中央駅とは地下通路「つばめロード」でも結ばれています。
 なお左下に中村晋也制作の「若き薩摩の群像」が写っています。幕末に英国に留学した薩摩藩の青年藩士17人の銅像群です。
アミュプラザ鹿児島
 2004年3月の九州新幹線の開業に伴い、同年9月に鹿児島中央駅に隣接して大規模な複合商業施設「アミュプラザ鹿児島」もオープンしています。このアミュプラザ鹿児島には、地下一階地上七階に洋服、雑貨、食品、レストラン等のお店が190以上入っており、また映画館、観覧車などの娯楽施設も営まれています。しかし、私にはある特定のお店以外はあまり縁がありません。では、その唯一例外的なお店はなんでしょうか、お分かりになりますか。
  答えは紀伊国屋書店なんです。アミュプラザのオープンとともに4階に紀伊国屋書店鹿児島店も開店しています。
 
アミュプラザ4階の紀伊国屋書店
 私は、バスで通勤しているのですが、勤務先からの帰宅途中に書店に立ち寄ることがよくあります。いつも利用するのが天文館近くのいわさきザビエルホテル2階にあるブックジャングルなんですが、購入したい本が同書店の店頭で見つからないときは、さらに同じ天文館中町のジュンク堂書店まで足を伸ばし、そこでもまだ見つからない場合は、天文館通電停から市電に乗って鹿児島中央駅前電停まで行き、アミュプラザ鹿児島4階のこの紀伊国屋書店に入って探し回り、店頭に置いていないことが判明しますと、お店の人に頼んで取り寄せてもらうようにしています。

都通電停
 都通電停を降りますと、電車通りに対して東西に交差して都通りの商店街があります。この商店街は、1913年の武駅(現鹿児島中央駅)の開業や1915年の路面電車の開通、さらには1927年の現鹿児島本線の開通などとともに発展して来た歴史があり、昔懐かしい感じのお店が軒を連ねています。鹿児島中央駅周辺にはこんな感じの商店街がいろいろありますから、のんびりと探索してみるのもまた楽しいと思いますよ。
中洲通電停


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中洲通電停を走る市電

 中洲通電停は、市電の2系統の路線と中洲通りとが交差する地点にあります。なお、中洲通りは武岡トンネル付近から陸橋を超えて続く通りです。この写真は、中洲陸橋側から撮ったものです。
 中洲通りの「中洲」という名前の由来は、昔は甲突川の水が溢れるとこの周辺が水びたしになり、遠くから見ると
川の中に浮かぶ小さな島(中洲)のように見えたからとのことです。いまはこの通りは鹿児島市内を東西に結ぶ幹線道路となっているので、いつもたくさんの車が頻繁に行き交っています。

市立病院前電停
たばこ産業跡地に新たに建設された8階建の市立病院
 
 以前あったたばこ産業南九州支社の建物
市立病院前電停
  

 以前は「たばこ産業前電停」でしたが、たばこ産業の鹿児島工場が閉鎖され、広大な跡地(約6万平方メートル)に市立病院が建てられ、電停名も「市立病院前電停」と変更されました。

鹿児島市立病院といえば前に加治屋町に市立病院があった当時、1976年に誕生した東京・渋谷の山下家、1980年に誕生した鹿児島・徳之島の伊仙町の上木家の五つ子誕生で大いに注目されたものです。特に、NHK政治部記者の山下頼充・紀子夫妻の五つ子の場合は、日本で多胎児を無事に生育させた初めてのケースでしたから、大々的に報道されました。

神田(交通局前)」電停 神田(交通局前)
 
たばこ産業跡地に新たに建った鹿児島市交通局の局舎 
 以前、たばこ産業跡地前を走っていた花電車と市電
 以前は「神田電停」でしたが、たばこ産業の鹿児島工場が閉鎖され、広大な跡地(約6万平方メートル)に市立病院とともに市交通局が建てられることになりました。以前の「神田(しんでん)電停」前には高麗町にあった市交通局の局舎と市電車庫が移転し、電停名は「神田(交通局前)に変更されました。なお、新電停名に「神田」が残ったのは、「神田」が地元の人になじみの深い地名だからとのことです。( )内に「交通局前」の文字を加えられたのは言うまでもなくこの電停前に市交通局もの局舎と車庫が建てられたからです。

 鹿児島市電は、1928年に民営の鹿児島電気軌道株式会社が谷山線(武之橋―谷山間)で運行を開始したときから始まります。その後、1928年 7月 に鹿児島市が鹿児島電気軌道株式会社を買収、鹿児島市電気局を設置して鹿児島市電の営業開始し、鹿児島の市電が誕生しました。その後、電気局は市バスの運行も開始し、1952年には電気局が交通局に改称して現在に至っています。

 
乗客数がピーク時には年間4457万6千人(1963年度)だったのが、モータリゼーションの時代に突入して市電の乗客数は減少し始め、1985年9月30日には上町線と伊敷線が廃線となり、2002年には995万9千人まで落ち込みました。しかし、2003年には1018万8千人と7年ぶりに増加し、2004年度は1057万2千人、2005年度は1063万2千人、2006年は1129万5千人と増加させ、その後も1千万人以上を維持しています。ガンバレ、鹿児島の市電!!
工学部前
鹿児島大学の工学部前電停に着いた市電
鹿児島大学工学部の稲盛会館と桜島
  鹿児島大学の稲盛会館から山の右半分を見せている桜島を超床車のユートラムと一緒にを撮りました。稲盛会館は、鹿児島大学工学部の卒業生である稲盛和夫氏(京セラの名誉会長)の寄贈で建てられたもので、科学技術を中心とする知的交流促進の場として1994年10月31日に竣工しています。
純心学園前電停
朝夕は通学生で賑わう電停

 この電停を降りて次の中郡電停に向かって右手(西)にある坂を上っていきますと鹿児島純心女子学園に行き着きます。
 また、この電停の目の前には鹿児島大学の附属小学校・中学校があり、さらに同大学の教育学部、工学部等のキャンパスも近く、この電停からさほど離れていない場所にJR郡元駅もあるために、この電停周辺は朝夕になると通学する生徒や学生で賑やかです。

郡元電停
 郡元電停とその周辺の風景
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郡元電停から1系統へ乗り換え



 
郡元電停は、鹿児島の市電の1系統(谷山線)も停車しますが、2系統(唐湊線:鹿児島駅前〜天文館通〜高見馬場〜鹿児島中央駅前〜郡元)の終点でもあります。両系統の接続地点ですし、また目の前にダイエーも立っているので、乗り換え客や買い物客でいつもこの電停は賑わっています。私も日之出町に住んでいた頃は、よく家族揃って二軒茶屋の電停からこの郡元電停まで市電でやって来て、ダイエーでショッピングや食事を楽しんだものです。
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鹿児島市電の電停一覧
電停名をクリックしますと、当該電停を紹介するコーナーが表示されます
鹿児島駅前 桜島桟橋通 水族館口 市役所前 朝日通 いづろ通 天文館通 高見馬場



甲東中学前 新屋敷 武之橋 二中通 荒田八幡 騎射場 鴨池 郡元 郡元(南側) 涙橋 南鹿児島駅前 二軒茶屋 宇宿一丁目 脇田 笹貫 上塩屋 谷山 1系統
加治屋町 高見橋  中央駅前
鹿児島 都通 中洲通 市立病院前 神田交通局 唐湊 工学部前 純心学園前 中郡 郡元 2系統

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