私は Windows おやじ

 私は世間の多くのおじさんたちと同じようにWindowsパソコンを使って来ました。自宅では東芝のdynabook PX/63Gと富士通のFMV-DESKPOWERを、職場では約8年前に販売されたNEC Mate(PC-MY30VCZEDCBF)を使っています。
 
 Windowsパソコンでどんな使い方をしているかと言いますと、主としてWordでワープロ、Excelで表計算、PowerPointでプレゼンテーション、IBMホームページビルダーでホームページの作成などをしています。おっと、インターネットで様々な情報を入手し、またブログを楽しんでいます。動画を見たり、フリーソフトをダウンロードするのにADSLでは非力だということで、光ファイバーを引きました。


iPad 選択理由

 ところがアップル社のiPadが2010年5月28日から日本で発売され、TVのニュースでも大々的に報道されました。私も以前から手軽に携帯できて、10インチ前後の広いディスプレイがあってバッテリ駆動で長時間使用できる軽量パソコンを購入したいと思っており、iPad発売のニュースには大いに興味を持ちました。
 

 実は、私はアップル社のMacintosh のユーザーだったこともあるんですよ。いまでこそWindowsパソコンでマウスを使ってアイコンやポインティング動作によって操作を行うGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)は当たり前のことですが、Windowsパソコンが普及する前は、味もそっけもない真っ黒な画面にもっぱらテキスト表示によって操作を行うMS-DOS機が一般的でした。その頃にアップル社のMacintoshのマウスを使ってのGUI操作はとても魅力的なものでしたが、その価格は非常に高く、私のような人間にはちょっと手が出せませんでした。しかし、1993年になってMacintosh Centris 650 が低価格(と言っても335,000円もしたのですが)で販売されましたので、私はすぐにそれを購入してMS-DOS機では味わえないスムーズな操作性を大いに満喫したものです。

 しかし、1993年には日本語版Windows 3.1が発売され、それをOSとするパソコンが急速に社会で普及し、私の勤務先でも世間の動向にあわせてWindowsパソコンを使用するようになりました。そうなりますと、我が家ではMacintosh、職場ではWindowsパソコンというのがなにかと不便になり、いつのまにか我が家のMacintoshはほとんど使われずに埃をかぶるようになってしまいました。そんなわけて、私は最近はずっとOSがWindowのパソコンを使用して来ており、もしアップル社のiPadに匹敵するようなタブレット型のWindowパソコンが近日中(今年の6、7月頃という意味です)に発売されるなら、それを待って購入してもいいと考えていました。

 しかし、インターネットで情報をいろいろ集めてみましたが、近日中にiPadに匹敵するようなWindowパソコンが発売されることはないようでした。それで、2010年6月21日に鹿児島市内でiPadを販売している家電量販店のビッグカメラで予約を申し込みました。予約を申し込んだのはiPadのWi-Fiモデル64Gでした。このiPadのWi-Fiモデル64Gは、重さが680グラムと軽量で、USB電源アダプターで充電後は10時間も駆動できますから、家の中を手軽に携帯し活用することが出来そうだと思ったからです。それで、自宅内でiPadを常に携帯してインターネットを大いに利用するためにコレガの無線LANルータ(CG-WLR300NM)も購入しました。なお、初めはiPadのWi-Fi+3Gモデルの購入も考えたのですが、私のような人間がiPadを屋外に携帯してインターネットを頻繁に利用するなどということはほとんどないだろうと「冷静に判断」し,Wi-Fiモデル64Gを選択することにしたのです。

 しかし、「冷静に判断」というなら、そもそも家にすでに2台もパソコンがあり、職場でも1台自由に使える私のような人間にタブレット型の軽量パソコンが新たに必要なんでしようか。特に必要とは言えないですね。通勤時間に活用するなんてこともなさそうです。有名なアニメーション映画の監督である宮崎駿が、iPadを撫でさすっている姿を見ると気色わるいだけだと言い、一刻も早くそれを手に入れて、全能感を手に入れたがっているような人間は、新製品にとびついて、手に入れると得意になるただの消費者にすぎないと批判したそうですが、私もそのような軽薄な消費者の一人なのかもしれませんね。でも、パソコンをこれまでずっと使ってきた私のような人間にとって、時代を画するような斬新なiPadというマシンはとても魅力的をものです。値段もそんなに高くありません。なんだかんだ言っても、とにかく一刻も早く手に入れて触りたい、使いたいということでiPadの予約を申し込んでしまったのです。


iPad入手とDropbox

 予約したiPadが入手できるのは1週間から1ヶ月とのことで、クリスマスイブにサンタクロースさんから贈られるプレゼントを胸をワクワクさせながら楽しみにしている子どものような気持で待ちましたが、約2週間後の2010年7月3日にビッグカメラ鹿児島中央駅店からiPadのWi-Fiモデル64Gが入荷したとの電話連絡があり、2日後(7月5日)に同店へ受け取りに出掛けました。

 iPadの初期設定は同店で行ってくれましたので、帰宅してからまず最初に苦労させられたのは、iPadと無線LANルータ(CG-WLR300NM)とをiPadの「設定」アイコンによって接続させてインターネットが活用できるようにすることでした。

 iPadのホーム画面の「設定」アイコンを指で押しても全く反応せず、さらにiPadのホーム画面の他のアイコンを押しまくっても無反応なため、これはヤバイとかなり焦り出しました。しかし、試行錯誤の末にiPad本体の下に付いているホームボタンを押してみますとアイコンも反応することが判明し、それからはスムーズにソフトキーボードを使っての文字入力、iPadと無線LANルータとの接続、Safariを使ってのインターネット検索、iPadアプリ(Wikpedia簡単検索に使用するWikipanion等)のダウンロード等が出来るようになりました。

 また、iPadによる画面キャプチャの方法も知りました。Windowsパソコンでディスプレイに表示されている画像をハードコピー(画面キャプチャ)するときは、キーボード中にある「PrtSc/SysRq」というキーを押しますよね。Padによる画面キャプチャの方法は、iPad本体の右上の電源ボタンと本体真下のホームボタンを同時に押すとカシャッって音がしてキャプチャが実行されるようです。

 iPadでは、Windowsパソコンで活用してきた各種ソフトは使えませんが、iPad用の便利なアプリがいろいろあるとのことで、ホーム画面の「App store」から「i文庫HD」「Wikipanion」等の便利なアプリをダウンロードして使うようになりました。ただ、Windowsパソコンではフォルダ作成機能を使ってそこに各種ファイルを保存することをこれまで当たり前のように行っていたのですが、iPadではそれが上手くできません。

 ただ、OSや機器の壁を越えて自在にファイルのやりとりをすることができる便利なアプリ「Dropbox」がその不便さを補ってくれます。初め、この「Dropbox」というアプリの使い方が分からなかったのですが、幸いインフォレスト社発行の『iPad PERFECT』というムックにこのアプリの解説が載っており、同書の解説に従って以下のような方法で使用できるようになりました。

(1)Windowsパソコンから「Dropbox」のパソコン専用ソフトをダウンロードし、デスクトップに表示された「Dropbox」アイコンを実行。

(2)アカウント登録を行う。なお、2GBまでの容量だと同アプリを無料で利用可能とのこと。登録が終了すると、ドキュメント内に「Dropbox」のアイコンが表示される。そこにiPadでも活用したい画像ファイルや文書ファイル等をドロップ。

(3)つぎにiPadを起動し、すでにダウンロードしていた「Dropbox」のアイコンをタップすると、先ほどWindowsパソコンからドロップしたファイルを見ることが出来るようになっている。うーん、これは便利です。


 このアプリをiPadのみならず自宅や職場で使っているWindowsパソコンにインストールして使用すると、このアプリにドロップしたテキストファイル、WORDファイル、EXCELファイル、PDFファイル、HTMLファイル、JPEG等の各種画像ファイル等がパソコン間相互で利用できるようになるのです。ですから、これからは余程のことがない限りUSBメモリーなどに保存せず、「Dropbox」を活用すればいいですね。世間で一番多いと思われますWindowsパソコンのユーザーの方にはぜひこの「Dropbox」を活用していただきたいと思います。

 では、肝心のiPadでの使い心地はどうでしょうか。Windowsパソコンの「Dropbox」にドロップした各種ファイルのうち、iPadの「Dropbox」を開いてほとんどのファイルは表示することはできましたが、HTMLファイル(拙ホームページ「やまももの部屋」のトップ画面)は右に掲載した画像の右側のようになっていました。画像部分が全て表示されないのです。私は、屋外でインターネットに接続できないオフラインの状況でもiPadに保存したHTMLファイルをちゃんと表示させたいと思っていましたので、これは非常に残念です。





オフラインでもWebサイト閲覧可能な WebOffline


 「Dropbox」では、iPadがオフラインの状況でHTMLファイルの画像部分がをちゃんと表示できないことが判明し、Webサイトをオフラインの状態で表示することのできるような別のアプリがないものかとインターネットで探しておりましたら、「情報考学 passion for the future」というサイトに「Webサイトを丸ごとダウンロードして、ネットのつながらない場所でも、閲覧可能にする」というアプリのことが紹介されてました。そのアプリの名前は「WebOffline」とのこと。それでiPadのApp Storeで検索してみましたら、この「WebOffline」は有料アプリですが、値段はわずか115円です。物は試しとダウンロードして使ってみることにしました。

 「WebOffline」から拙ホームページ「やまももの部屋」など3つのWebサイトをダウンロードし、オフラインの状況で閲覧してみましたが、写真画像もちゃんと表示できました(ただし、ビデオ画像は表示できないようです)。これなら、屋外にiPadを携帯して、私自身が見たいものや他人にプレゼンしたいものをオフラインの状態で閲覧することが可能なようです。iPadを屋外に持参するときは(滅多にないと思いますが)、この便利なアプリを活用したいと思います。

TagDisk HDでYouTubeの動画をオフラインで閲覧

 Webサイト閲覧可能なアプリ「WebOffline」では、残念ながらビデオ画像は表示できないようです。それで、 オフラインでもYouTube等の動画が閲覧できるアプリを探していましたら、 株式会社三才ムックから『iPad最強マスターガイド 』という本が出されており、そこに「YouTubeの動画をダウンロードして保存」することのできる「TagDisk HD」というアプリのことが詳しい解説文入りで紹介されていました。iPadのApp Storeで検索してみましたら、アプリとしては少し高めの700円とのことですが、オフラインでYouTubeの動画が閲覧できるなら安いものです。このアプリをダウンロードして使うことにしました。

 TagDisk HDの使用方法はつぎのようにします。

 (1)TagDisk HDのアイコンをタップして起動し、画面の下の「Browser」をタップする。
 (2)検索エンジンから閲覧したいYouTubeの動画を表示し、画面下部の下向き矢印マークをタップする。

 (3)動画ファイルのURLを入力してOKをタップする。

 私が自分で撮影しYouTubeにアップしたトロッコ自転車のビデオ画像http://www.youtube.com/watch?v=VUbUaJqEsyA等をTagDisk HDを使ってオフラインで閲覧してみましたが、ちゃんと見ることができました。これなら、YouTube動画をTagDisk HDに登録しておけば、たとえ屋外にiPadを持ち出してオフラインの状態でもそれを閲覧できますから、なかなか便利なアプリです。

FlashとYouTube


  iPadの操作にかなり習熟して来た私は、8月1日の日曜日、iPadでゆっくりとNHKオンデマンドのテレビドラマを視聴しょうと思いました。ところが、iPadで実際にNHKオンデマンドにアクセスし、視聴が不可能なことが判明してガッカリしてしまいました。iPadではAdobe の Flash Player が使えないことは前から知っていましたが、NHKオンデマンドでもテレビ映像を視聴するためにAdobe Flash Player が必要だったのです。アップル社の企業戦略からiPadでもAdobe の Flash Player が使えないようにしているようですが、私のような一般のiPadユーザーにとっては大変不便なことであり、なんとも残念です。

 ところで、iPadとYouTubeとはとても相性がいいようで、YouTubeにビデオ画像をアップした後、iPadのホーム画面の「YouTube」アイコンをタップしますと、「マイ動画」としてそれらのビデオ画像が表示されており、それらを動画として閲覧することができるのにはちょっと驚かされました。
  とこで、私が撮影した同一ビデオ画像でも、それを拙ホームページと一緒にFTPソフトでアップして再生する場合とYouTubeにアップして再生する場合とでは、両者の再生速度に非常な違いが生じます。YouTubeの方がずっと速く再生されるのです。

 では、なぜインターネット上で YouTube のビデオ画像の再生は速いのでしょうか。YouTube初心者の私にはよく分からず、それで書店で八木重和著『最新版 You Tube かんたん使いこなしハンドブック』(秀和システム、2010年7月)を購入して調べてみました。

 同書の解説によりますと、インターネットで動画を配信する方法として「ダウンロード配信」と「ストリーミング配信」の2つの方法があるとのことで、YouTubeは「ストリーミング配信」だそうです。「ダウンロード配信」は、動画ファイルをパソコンにダウンロードし、保存したファイルを開いて再生する方法なんですが、YouTubeで使われている「ストリーミンク配信」では、ファイルをダウンロードせず、動画のデータを少しずつ受信しながら再生する仕組みになっており、そのためダウンロードを待つことなくすぐに再生されるとのことです。うーん、納得。それで、拙宅で iPad を使っている様子を妻に手伝ってもらってビデオカメラに撮影し、それをYouTubeにアップしました。

拙宅の iPad

iTunesで映画をレンタル

 Apple社では昨年(2010年)の11月11日からiTunesStoreから日本でも映画の配信を開始し、洋画のみならず邦画も購入とレンタルが可能となりました。HD映画のレンタル価格は、旧作が300円から、新作が500円、SD映画は旧作が200円から、新作が400円とのことです。

 最近は洋画の過去の名作DVDがとても安く購入できるので、結構多数の洋画作品は購入して楽しんでいましたが、邦画作品の値段はまだまだ高いものが多いですね。それで、iPadを使ってiTunesStoreから前から視聴したかった邦画作品をレンタルすることにし、映画のタイトル、監督名、出演者名等から検索して選び出し、ダウンロードして楽しむようになりました。


Tunesで映画をレンタル

 これまでにiTunesStoreからレンタルした邦画作品としては、木下恵介監督の「カルメン故郷に帰る」「二十四の瞳」「笛吹川」、川島雄三監督の「洲崎パラダイス赤信号」「しとやかな獣」、大林宣彦監督の「時をかける少女」「異人たちとの夏」、山田洋次監督の「ダウンタウンヒーローズ」「故郷」「霧の旗」等があり、主としてリビングルームにiPadを持ち込んでこれらの邦画作品を楽しんでいます。


iPad歴 半年間

 iPadを入手してから3週間ほどは、毎日いつもiPadをいろいろ操作し、その可能性を大いに試したものです。それはまるで珍しいオモチャを手に入れた子どもがその遊びに没頭しているような感じでした。

 では、いまは拙宅で実際にはiPadをどのように使っているのでしょうか。仕事にバリバリ使っている? いえいえそんな使い方はしていません。職場でのプレゼンテーションに活用? これまで職場に持ち込んだこともありません。ワープロ、表計算、ホームページやブログにアップするためのファイルや文章作成、デジタルビデオの編集等々のことはいままで通りWindowsパソコンで行っています。やはり使い慣れたソフトが一番いいですからね。コンピュータゲームには全く興味がないので、iPadでもゲームをしたこともありません。

 iPadは専らインターネットやiTunesStoreからレンタルした映画等の閲覧用に使っています。テレビの報道番組等に出てくる人名、地名、用語等で不明なものが出てくると、iPadをすぐ起動して確かめています。身近に置いてすぐ利用できることがやはりiPadの最大のメリットです。私の妻が一番気に入っているのが地図の検索です。それから、知人の息子さんがプロ野球チームに入団したので、その選手の関連報道をチェックしているようです。私が撮ったビデオ映像や拙ブログ「ポンコツ山のタヌキの便り」もときどき見てくれます。これは居間にiPadを持ち込むことが可能になったからです。少しは夫婦の会話がはずむことには役立っているようですよ。これはとてもいいことです。武者小路実篤も「仲良き事は美しき哉」と言ってますからね。

 このIpadに関するHPの内容は、2010年6月25日から2011年2月14日まで拙ブログ「ポンコツ山のタヌキの便り」に書き込んできたものをまとめたものです。
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