我が家の春夏秋冬
春の我が家の庭

 日本の四季は、春は桜、夏は生い茂る緑、秋は紅葉、冬は一面の銀世界がイメージされますが、鹿児島の我が家では秋の季節が到来しても真っ赤に染まったモミジの紅葉を楽しむことはできません。これは我が家の庭だけのことではなく、近所のお庭でもそうなんですよ。

 現在の拙宅が建ったのが1989年のことなのですが、その時に庭師さんにツツジ、ヤマモモ、サンゴジュ、ウバメガシ、クロガネモチ、ザクロ等に加えてモミジの植樹も頼みました。私の故郷では百人一首で有名な「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の、声聞くときぞ秋はかなしき」の歌そのままの光景を実際に目にし耳にしていたものですから、秋の風情を楽しむために雌鹿を慕う牡鹿の鳴き声までは望みませんが、庭にモミジは無くてはならないものと思い込んでいたのです。

 ところが、依頼した庭師さんに「モミジの紅葉には秋の季節に入っての夜間の急激な冷え込みが必要なんですよ」と教えられ、「温暖な鹿児島市内の平地ではそれがないので紅葉は望めません」と言われました。

 まあ、秋にモミジの紅葉を楽しめないのは残念ですが、我が家の庭でも秋の季節ならでは風景を楽しむことができます。家の前の道路に面して植えてある萩がフェンス越しに枝を伸ばして満開の花を咲かせ、家のベランダから下を見ると繁茂した柿の葉のなかに幾つか色づいた柿の実を見ることができます。キンモクセイの甘い香りが漂い、ガーリックパインが蔓を伸ばしてその先に無数の紫の花を咲かせ、ツワブキの黄色い花、白ツバキの白い花、サザンカの薄ピンクの花等を愛でることもできます。

愛犬ポロとザクロの実
2005年09月07日撮影
萩の花 2012年9月15日 柿の実 2012年9月22日 中秋の名月 2012年9月30日
キンモクセイの花 ‎2011‎年‎10‎月‎1‎日 ガーリックパイン 2010年11月5日 白ツバキ 2011年11月8日
ツワブキの花 2011年11月27日
  
 マユミの実 2014年11月18日
サザンカ 2011年11月12日 ビラカンサの実 2011‎年‎12‎月‎10‎日 初冬の我が庭の風景 2011年12月11日
クロガネモチの実 2011年12月11日 ナンテンの実 2011年12月11日 シロナンテンの実 2011年12月11日   センリョウの実 2011年12月11日


マンリョウの実 2011年12月11日
ツバキの花 2012年1月28日 ウメの花 2012年2月14日
 2011年2月にグリーンプラザ川崎の与次郎店で鉢植えのウメを購入し、我が家の庭に地植えして翌年の開花を楽しみにしていました。約1年後の2012年2月初旬から厳しい寒さにもめげず小さな蕾が無数に膨らみ始め、暖かくなって来た中旬に入って一つ、二つと花を開かせ、鹿児島市の最高気温が19度を記録した2月14日に一斉に花を開花させ、周囲に素敵な芳香を漂わせました。

 ウメには春告草という別名もあり、都から太宰府に左遷されることになった菅原道真が延喜元年二月一日に都を去るにあたって、「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」という歌を詠んで庭の梅の花に別れを告げたことは有名ですね。和暦の延喜元年二月一日は西暦では901年2月27日になります。もうこの頃は京都でもずいぶん暖かくなっており、さぞかし梅の花も満開だったことでしょうね。

 拙宅で満開のウメの花の前に立ったとき、菅原道真が庭のウメに別れを告げて「匂いおこせよ」(香りを届けておくれ)と詠った意味が実感できました。ウメの香りは本当に春の到来を告げる馥郁(ふくいく)たる優しい芳香だからです。

 そんなウメの花の写真を拙サイト「我が家の庭の春夏秋冬」のどのページに飾るのかちょっと躊躇したのですが、現在の暦では2月はまだ冬の季節です。それで「秋冬の我が家の庭」の最後を飾る花にすることにしました。
庭の雪:景色 2010年12月31日

 ところで、我が住んでいる鹿児島は言うまでもなく九州本土最南端にあり、他地域の人には南国のイメージが強いと思います。しかし、鹿児島にも冬はあり、特に2月の寒さはかなり厳しいものがあります(勿論、北国の豪雪地帯の冬の厳しさとは比較にならないと思いますが)。鹿児島のそんな2月の厳しさは覚悟していましたが、なんと2010年の大晦日に降った大雪には驚かされました。その日は朝から雪が降り続き、鹿児島地方気象台によると12月としては史上最高の降雪の深さ25センチを観測したとのことです。

 我が家では夜中に屋根に降り積もった雪が庭にドサッ、ドサッと落ちる音がしきりに起こり、元旦に家のドアを開けると外は銀世界、新聞を取りに行くにも深く積もった雪に足を取られて一苦労させられました。それで、朝食後に家のドアから外の道路まで安全に通れるようにスコップを使って除雪作業を行ったものです。私にとって鹿児島での道路の雪かき作業は初めての体験でした。

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